昨年から、ドルチェにて配信付きの演奏会企画をされている
「トリオーガニック」のコンサートにお伺いしました

没後100周年を迎える、サン=サーンス企画です
冒頭から流れ出る、ファゴットの歌心たっぷりなメロディー
トリオガのアフロディーテ

宮崎寿理さんの演奏に始まり
(勝手にギリシャ神話風。笑)
舞台には姿を現さずに、扉の向こうから遠く奏でられる
瑞々しい潤いのある雫に、光がキラリと反射するようなフルートの音色は
同じくトリオガのダイアナ

(新月の銀の弓を持ち、風を切るような個人的なイメージで)
鈴木舞さんの演奏
“見えない笛”のタイトル通り
本当に、どこにも姿が見えません(笑)
いつもなら、シンメトリーに立たれる女神お二人の間には
麗しきイケメン・ギタリストが、中央の王座にいらっしゃるのですが
今回の企画では、非常に頼もしいメンバー
ピアニストの、うえだようさんがいらっしゃいました
恐らく日頃から、管弦打楽器・声楽と
数多くの共演をなさっている事がすぐに伺えます
と言うのも、ソリストへの細心の注意を払って演奏していらして
ピアノの音色の選択や、木管楽器の場合の音量のバランス調整など
(これば共演する楽器によっても、かなり変えて弾きます)
とても、気にしながら演奏していましたので
冒頭の音の取り方を拝聴するだけで
普段からどういったシーンで演奏されているか分かりますね
そして、何よりも
トリオガのように、変則的な楽器編成だと
既存の楽譜など全くありません
毎回のコンサートで全部の編曲をして
オリジナルのプログラムを作らないといけません
この膨大で精神的にもしんどい、手間と苦労とアイデアの要る作業を
ピアニストのうえださんが一挙に引き受けて
上手い事まとめて構成されたのではないでしょうか
ここも、日頃からお仕事をバンバンこなして
慣れていらっしゃると、一気に出来ることですので
今回は、背後には大いなる腕利きの刺客が・・・!
(※暗殺はしません)
動物の謝肉祭とか、楽譜は普通〜に2台ピアノですからね
それこそ打楽器の近現代のコンチェルトの、音多しのオケパートを
ピアノで弾くような手元の配分になりますね

隅々まで、やり甲斐たっぷりです

(ひつじ!。。。は出て来ません)
今回は、メンバーも素敵なお顔触れ
クラリネット奏者の佐藤博之さんは、前半では正統派なスタイルで
演奏とトークを鮮やかに聴かせたかと思えば
後半は、持ち替えのバスクラを手に
え?どこでそんなスーツ売っているの!?レベルの
いやもう見たことのない動物テーマで色柄柄柄!な衣装(笑)
「通天閣」と言われていました
舞さんのヒョウ柄も、まるで見た事ないスタイルでしたが
寿理さんの巨大な虎プリントに至っては
大阪の60代以降の元気なマダムしか
お召しになっておられないであろう
野性的かつ健やかに暴力的なデザインです(今にも噛みつく寸前)
もうこの「動物の謝肉祭」がアツ過ぎて
本来の謝肉祭は
“肉絶ちするキリスト教の節制期間に先立つお祭り”
だったようなのですが?
まるで、肉をたらふく食らいまくるお祭り・食べ放題90分な
内容の濃さでした

(ライオン・・・?ではない方です)
台本をご担当された北村勢吉さんが
ちょうど客席の最前列におかけでした
ピアニスト、うえださんがにこやかにご紹介すると
そのままマイクを強制的に託して、トークの無茶ぶり開始です
勿論、台本も打ち合わせも何も無く
「舞台に沢山の楽器や、アイテムを並べるのに時間がかかるから
上手い事お話でつないで、良い感じに客席温めといて〜!」なる
己の即興トーク・スキルを余すところなく駆使せよ
との、愛と試練の無茶ぶり(笑)
その北村さんの台本を
舞台に出ていらして、読むのだとばかり思って待っていたら
突然、朗々と影アナウンスのマイクで響き渡る美声で
港幸樹さんの素敵なダンディすぎる抑揚満点の皮切り
もう、マイクに声を乗せる、音と響き絶妙な乗せ方の巧いこと!
(これは、普通に声楽をして良い声なだけではダメで
マイクに乗せるコツがあります)
すっかり世界に持って行かれて
一瞬で、ディズニーランドに来たかと思いました(笑)
ゴージャスすぎる構成のトリオガ公演

(らくだ。。。僕の背中にどうぞ)
今回、持ち替え楽器も多彩で
舞さんはフルートを多彩に持ち替えながら3本
佐藤さんはバスクラも駆使して、コケティッシュな表現もお手の物
寿理さんに至っては、博物館から持ってきたの?と思う
日常には、ほぼ見られない勢いの古い楽器を携えて
ほとんど、アドルフ・サックスが発明した頃の
古いサックスのようにも見えるその楽器を
「象」のもったりした足取りを表現するように
ドンピシャで吹いていらっしゃいました
何か、自分持ち楽器だったみたいで・・・

(博物館の展示レベルですよ)
こうしてプロの演奏家の元にやって来ると
古い楽器でもちゃんと修復して、さらに演奏会の本番で
出番が与えられるという、楽器冥利に尽きる人生が送れます

(長いまつげが魅力)
動物の謝肉祭には、皮肉たっぷりに「ピアニスト」まで
動物にさせられて曲に入っています
初歩的な練習で彩られたこの曲を
わざと、下っ手クソに弾くのがお約束でもありまして
うえださんが最初のフレーズをひいた後
何かと思えば、白い手袋をはめた舞さんが変ニ長調を担当
(しかも、本来の演奏ではなくてわざと下手に弾く)
次に寿理さん・・・その後の佐藤さんは
手袋しないんだなと思っていたら
ピアノの前に出てくると、これ見よがしに
シャキーンと手袋を出して、執事のようにはめ
お約束の下手路線で披露して下さいました
また、見たことのない動物の骨が出て来ました
打楽器として使うようですが
砂漠で行き倒れた動物の頭部が、白骨化しました的な
楽器まで出て来て、(確かに叩いて演奏していました)
もうカオス(笑)
皆さん、演奏だけでなく隅々において芸達者な
高度な技術とネタの詰め合わせセット
そんな、ゴージャスな「動物の謝肉祭」でした
これを一回で終わらせてしまうのは、非常にもったいないですね
いらしていた他のお客様で、お仕事柄
大勢の生徒さん方に愛情こめて指導されている、ご婦人と話していたら
「子供達に聴かせてあげたい!!」と
大興奮で、熱っぽく語って下さいました
皆様、盛りだくさんの謝肉祭お疲れ様でした
Satomi
posted by satomi at 00:00|
Comment(0)
|
日記