ウィーンのピアノメーカーとして
遥か昔に存在していた「ローゼンベルガー」の
1830年頃のオリジナルの楽器を弾いてきました
(歴史の狭間に消えて行ったピアノメーカーです)
歌曲王、シューベルトが亡くなったのが1828年
その少し後に出来たピアノという事になりますね
凄いのは、当時のまま残されていて
しかも、演奏可能なので
演奏させて頂きました
普通は、この時代の楽器は
博物館で「触らないで下さい」状態です

技術者がいらっしゃるので、大丈夫とは思いましたが
それでも繊細な楽器であることには変わりないので
できるだけ楽器に負担がかからないように
軽い曲だけを選んで弾きました
サロンのホールに着いた時には
皆さんでピアノの下にかがんで
ペダル修理?(調整?)をしていらした所で
“調子が良くなかったら、待ちますよ”と言うと
「弾きなれてるから大丈夫でしょ?」みたいなことでしたが
いやいや・・・(笑)
お家のベーゼンは、そこまで古くないんですよー

1929年製なので、約100年のタイムラグです
そもそもベーゼンドルファーの創業が1828年でございます
とは言え、こちらの細かい情報も覚えていて下さったのですから
ありがとうございました
繊細で、どこか甘い響きと
木目の綺麗ないでたち
当時の楽器は、鍵盤の幅も小さいので
私のように手の小さい人間には
オクターブもつかみやすいサイズです
音のコントロールは慣れが必要ですけれど
とにかく弾ける状態でオリジナルが残っている事が凄いです
ピアノを手放された、所有者の方が
大事にされていたんだろうなと思いました
現代に当時の部品はほとんどありません
動物だって、変わってますし
良質だった羊は、もう絶滅しました(笑)
どう頑張っても、改造するほどに
違うものになっちゃうんです
オリジナルがそのまま残るのは、確立としても少ないものですが
技術者さんとしては
「時々、弾いてやらないと
放置しておいたら、かえってダメになるから」
と言って、こうして弾かせて頂いてます
シューベルトも持って行きましたが
シンプルなモーツアルトの曲の方が綺麗でした
この楽器が欲しい人、いらっしゃるみたいですね
2000万で買いたいって話が来ているそうですが
現状、会社の非売品なので、お売りできないとか
彼女(ローゼンベルガー)からは
「お家のピアノ、大事にしてあげて」と言われて
帰ってきました
優しい子でした
Satomi
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